八戸平和病院整形外科 藤井 一晃

藤井一晃は変形股関節症に悩む多くの患者様を、人工股関節手術によって改善してきた整形外科のプロフェッショナルです。

手術紹介

MIS(minimum invasive surgery:最小侵襲手術)

股関節手術は今までは傷が大きいのが難点の一つでしたが、近年MIS(最小侵襲手術)といわれ小さな傷で手術を行う方法が行われるようになってきました。しかしながら習熟を要する手術であり日本でも行われている施設はまだ多くはありません。私も平成15年よりできるだけ小さい傷(7-8cm)で手術を行っております。

すべての方に行うことは不可能で、変形が強い関節の動きが悪い場合は傷が大きくなります。
将来的にはコンピューターの導入により、さらに確実に手術が行えるようになっていくと手術機械の進歩により、従来より半分以下の傷で人工股関節置換術が可能になりました。

当院における人工股関節置換術の工夫

少ない負担で、早い社会復帰ができるようにしています。

MIS(最小侵襲手術)

小さな傷で人工股関節手術が可能になりました。

低血圧麻酔、自己血輸血により輸血が不要になりました。
硬膜外チューブにより術後の痛みを無くします。

術後2日目より歩行訓練が可能です。
私が行っている治療で、最も特徴としておりますのは術後 早期に歩行訓練を始めているということです。平成13年 より人工股関節置換術後2日で歩行を開始するプログラムを作成し進めてまいりました。

私が執刀しました58名の患者様を調査しましたところ、男性5名女性53名、平均年齢は56.7歳(31~70歳)、実際に荷重できたのは術後平均2.9日(2~4日)で、手術後から退院までの日数は平均27.8日(18日~42日)でした。
平成12年度では従来のリハビリで行っており平均45.0日(18~42日)の入院日数でしたから、かなり短縮できたと考えております。

50歳女性 左変形性股関節症

術後経過

  1. 術後2日歩行訓練開始
  2. 術後5日松葉杖歩行
  3. 術後2週一本杖歩行
  4. 術後3週階段→退院!!

人工股関節置換術の合併症

手術の短縮化、麻酔技術の進歩に伴い危険性は少なくなってまいりましたが知っておかなくてはならない合併症として出血、感染、脱臼、肺梗塞があげられます。

以前は自分の血を術前に貯めておき術後に戻すという自己血輸血を行ってまいりましたが、最近では手術時間の短縮化、麻酔技術の進歩により出血量が減少し、必要なくなりました。(低血圧麻酔、自己血輸血による対応で輸血回避率を100%に)

人工物を体内に入れるわけですから感染は恐い合併症の一つです。通常2%前後と報告されております。(手術の迅速化、手術室の管理を徹底して行っています)

エコノミー症候群という言葉を聞いた方があると思います。 下肢の静脈でできた血栓(血の塊)が肺の血管を詰まらせてしまう状態をいいます。

筋肉、傷が落ち着くまでの間には不適切な姿勢により人工関節がはずれることがあります。